「有機修飾型シリカネットワークをベースとするハイブリッド材料の構造物性」に関する論文がMacromolecules誌に掲載されました
有機修飾型シリカネットワークをベースとするハイブリッド材料の構造物性に関する論文が、2007年5月10日付けでMacromolecules誌に掲載されました。
テトラエトキシシランを代表とするアルコキシシランは、ゾル-ゲル反応を介してシリカゲルを得るための汎用性モノマーであることが知られています。これは4つの官能基すべてが架橋点として作用する材料でもあるのですが、その一方で容易に環化反応を起こし、ゲル化時間を大きく遅延させることが知られています。本研究では、有機ブリッジの両端にアルコキシシランを挟んだハイブリッド前駆体を用いて、有機の柔軟性と無機の耐熱性の両方を合わせ持つハイブリッド膜を得ました。
シリカゲルの構造と反応ダイナミクスは、用いる触媒に大きく依存することが知られています。我々の過去の研究でも明らかにした通り、ヘテロポリ酸は、安定したシリカコアドメイン成長を酸性条件で実現します。本研究では、これを触媒としてだけでなく、イオン伝導体として用いた場合の導入度およびプロトン伝導度を評価し、構造特性との比較検討を行いました。
構造解析には、小角X線散乱(SAXS)、原子間力顕微鏡(AFM)および熱重量分析(TGA)を用い、様々な解析手法を駆使して、これらの良好な相関関係を得ることにも成功しました。
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