京都工芸繊維大学工芸科学部 生命物質科学域高分子機能工学部門 高分子物性工学研究室

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    「有機-無機ハイブリッド膜のミクロ構造とプロトン伝導性に及ぼす溶媒効果」に関する論文がPolymer誌に掲載されました

     2007年8月1日付けで、「有機-無機ハイブリッド膜のミクロ構造とプロトン伝導性に及ぼす溶媒効果」と題する論文がPolymer誌に掲載されました。

     これまで、ゾル-ゲル法をベースとする有機-無機ハイブリッド材料のミクロ構造とプロトン伝導性を研究してきました。一般的に重要視される項目は、伝導体濃度、測定温度、湿度ですが、本研究では溶媒に着目しました。ゾル-ゲル法で用いられるアルコキシシランは水に溶解しないため、共通溶媒であるアルコールが用いられます。アルコールの炭素数が増えるに従い、得られるシリカクラスターの溶解性は低下します。また、これに伴い強酸性触媒の酸性度が減少するため、一見メタノールが合成に一番適した溶媒であるように考えられます。

     その一方で、モノマーを出発原料にして、ネットワークを構築する場合、相分離(系の凝集・不安定化)とネットワークの構築(揺らぎの安定化)は、競合するものであり、これらのバランスについて考えなければなりません。有機-無機ハイブリッド型の前駆体を用いる場合、有機部の誘導効果や反応の進行速度、どの分岐構造が生じやすいかによって、適した溶媒は変わるのです。本研究では、プロトン伝導度と構造における溶媒の効果を、伝導体導入量とミクロ構造形成の両側面から分析しました。

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